2016年8月24日 荻塾開催レポート
8月24日、荻塾を横浜市開港記念会館にて再始動致しました。テーマは「今後の野党を考える」。1998年以降の政党支持率の推移をグラフで見ながら、野党の現状を皆で確認し合いました。
民主党は本年3月末に維新の党と合併し、新党として民進党を結成。しかしなお単独では夏の参院選の戦況は厳しいと判断、共産党を含む野党4党で共闘路線を歩み、32ある一人区全てで野党候補の一本化を行い、結果11名の野党候補が勝ち上がりました。野党がバラバラなままでは、おそらく一人区は1勝も得られなかったと思われます。比例代表も、当初900万票あたり上限と思われましたが結果約1200万票を獲得し、これも野党共闘と新党結成の効果とみて差し障りないと思います。
今後この野党共闘はどうなるのでしょうか。
政権構想なき選挙協力は野合との認識は、少なからずの国民が抱いていると思います。それを分かっていながらそれでも政権構想なく選挙協力を行う場合、止むに止まれぬ事情を察して欲しい、と、正直に国民に訴えるしかありませんが、あとは国民が判断を下すと思います。「赤信号みんなで渡れば怖くない」で自公も野合してるから野党も野合するとは、残念ながら堂々と言える話ではないと思います。
次に、たとえ政権構想を共有しても、長続きしないチームは良い政権と評価されないとの民主党政権時の教訓を思い起こすべきです。一瞬のバブル議席で短期政権を作ったとて、3年間では何も出来なかったと言い訳した民主党の悲劇を繰り返してはいけません。
あとは、政党の社風、模範とすべき政治家像や、社会思想・政治哲学の共有といった、共闘集団としてのより深いアイデンティティの形成についても、国民の安心感を獲得するために欠かせない事柄と深く考えるべきです。
畢竟、野党共闘の課題は、共産主義に引っ張られる政権を誕生させるわけにはいかないという国民感情、そして民主党時代の反省を的確に出来ていると思えない民進党に、今より良い日本を作れる能力があるとは思えない、という拭いがたい不信感が国民に根付いているところにあります。
それは支持率にも表れています。
民主党支持率はどん底期2013年~2014年に5%~8%、2015年以降は民進党になってからも10%前後を推移。1998年民主党発足時は3%でしたが、3か月後15%をマークしました。小泉政権前期2年間は5%前後を推移しましたが、中期に入り一瞬20%を出すようになってからは上下しながらも着実に登っていきました。政権交代前夜の「逆転の夏」2007年から2年間、20%~25%台を刻んでいます。この政権交代ゾーンとも言うべき支持率20%~25%に登れる野党を作らねばなりませんが、過去に照らして、現在の民進党にはその高度に登れる推進力がまだ見られません。
2012年12月の政権交代以降、自民党と民主・民進党の支持率の乖離は、かつて経験のないほど長く大きなものとなっています。
現状打開のためには、基軸となる理念を国民としっかり共有できる政権構想を構築する必要があると思います。
荻原隆宏