荻塾とは?

荻塾は、日本の政治にいま起こっている事を確認しながら、
政治の意義やあるべき姿について共に考え、
世に問うていく塾です。

人間社会は、主義や思想宗教、言語や文化芸術など、様々に異なる価値観で構成されています。また、民族、出生地、性別の違いなど、生まれもって運命的に決定される違いが、互いに複雑なパズルのように絡み合わさっています。これらの「違う」ということは、数多くの争いや蔑(さげす)みを生む原因にもなってきました。争いや蔑みを駆逐するために、様々な体系を伴って生み出されたのが、道徳や倫理、政治思想でもあります。人間は多様性から逃れられない生き物です。多様性がもたらす過酷な側面に適応し克服しようと世界中で様々な試行錯誤が行われ、欲望と正義がぶつかり合い、人間の歴史が織り重ねられて来たと言えます。

違いを恐れることなく、むしろ尊重し合う事は、人間社会に広く大きい可能性を与え、豊かな社会の礎となります。いっぽう、同一の価値観を共有することも安寧ある発展と成長のために有益です。伝統を守り過去から続く知恵を受け継ぐことも価値あることです。また、異文化を取り入れて時代や物事の変化に順応する力を得ることも重要です。価値あることは多面多重で、全方位を検討しなければ見えてこないものです。しかし自分一人で出来ることには限りがあり、私達は常に社会を必要とします。変えるべきは変えて、残すべきものは残し、未来には人間の過ちではなく、幸いの松明を灯し続ける物事を選び抜く力をこそ、育んでいかなければなりません。

効率と功利が生活を成り立たせる現代社会にあって、非効率・反功利な事柄は日常においてさえ否定される場面も多いでしょう。しかし効率的・功利的でないからといって、そのすべてが役に立たないと言い切るには抵抗を感じる方も少なくないと思います。勝ち負けだけで人物の価値を決めることにはいささか行き過ぎを感じると思うように、効率と功利の影に潜む人間の悪い性質についても、社会には十分に共通理解があると思えるからです。何事も完璧ではあり得ないように、何事も無意味ではないということです。お金がたくさんあれば幸せなのかもしれませんが、もしかしたら意外に不幸かも知れません。逆に、お金が少なくてもまったく問題なく幸せかも知れません。結局は、最後に決めているのは個人の思考であり、個人に適した幸せの環境を整える能力と状況が、それぞれに備わっていることが、ついに社会総体の幸せにつながっていくものかも知れません。

現代社会に生きる私達にとって、何が正しくて、何が正しくないのか、私達は善と悪をどのように振り分けて、何を為していくべきなのかを探求しながら、政治のあるべき姿を問い、荻塾にご参加頂いた皆様とひとつでも多くの事柄を共感し合うことが出来たら、これ以上の幸いはないと思っております。

皆様のご来塾を心よりお待ち申し上げております。

荻塾代表 荻原隆宏

荻塾代表荻原隆宏Takahiro Ogiwara

1970年1月生まれ。
ドイツ・フランス・イギリス・アルジェリア・日本の5カ国で育つ。
立教英国学院卒、早稲田大学第一文学部卒。会社員、代議士秘書を経て横浜市会議員2期5年を務める。
良識と融和に基づく政治を志す。